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AI業務効率化

資料・スライドのたたき台をAIで作る:構成から推敲まで

白紙のスライドから構成案・本文の箇条書き・話す言葉での推敲までをAIと進める手順と、汎用的になりがちな構成の直し方を解説します。

Dongjiu Learning 編集部 約6分

プレゼン資料を作れと言われて白紙のスライドを開いたまま、最初の一枚目で手が止まる——構成を考える段階が一番時間を食う、という人は多いはずです。デザインや配色よりも先に、何枚のスライドで何を伝えるかという骨組みが決まらないと、作業は前に進みません。ChatGPTやClaude、Google SlidesのGemini機能、PowerPointのDesignerといったツールは、この骨組みづくりと箇条書きの下書きを助けてくれます。ただし、AIが作る構成案は一般論的になりやすく、自社の事情や聞き手の顔ぶれを反映しないまま出てくることが多い点には注意が必要です。

要点

伝えたい結論を先に1文で決め、AIに構成案と各スライドの箇条書きだけを作らせ、デザインはツールのテーマ機能に任せ、最後に自分の話す言葉で読み直して推敲する、という手順を扱います。AIが作る構成は汎用的になりがちなため、社内事情や聞き手に合わせた調整を人が加える工程を省略しないことが重要です。

前提 — AIに任せる範囲とデザインの切り分け

この方法は文章生成のAI(ChatGPT・Claudeなど)と、スライド作成ソフトに組み込まれたAI機能(Google SlidesのGemini機能、PowerPointのDesigner)を役割分担して使います。Googleは、Google Slides内のGemini機能について、プロンプトからスライドの下書きやレイアウト案を生成できると説明しており※1、Microsoftも同様にPowerPointのDesignerが、入力した内容をもとにデザイン候補を提示する機能だと案内しています※2。いずれも2026年時点の機能で、対応言語や生成できる要素はプランやバージョンによって異なるため、最新の挙動は各社の公式サポートで確認してください。社外秘の売上データや未公開の顧客名などをそのままプロンプトに含めることは避け、公開情報や仮の数値に置き換えて骨組みを作ってから、後で実データを差し込む進め方が安全です。

手順 — たたき台を作る5ステップ

①伝えたい結論を1文で先に決める

スライドの枚数や構成を考える前に、「聞き手に何を持ち帰ってもらいたいか」を1文で書き出します。ここが曖昧なままAIに丸投げすると、無難だが誰にも刺さらない構成が返ってきます。

②AIに構成案(見出しとスライド枚数)だけ作らせる

いきなり本文まで書かせず、まず見出しと枚数の骨組みだけを提案させます。

次の結論を伝えるための社内向けプレゼン資料の構成案を作ってください。
条件:全体で8枚、各スライドは見出しのみ、本文はまだ書かないでください。
聞き手:〇〇部門のマネージャー層、所要時間:15分。

伝えたい結論:(ここに1文で書いた結論を貼り付け)

③各スライドの本文を箇条書きで下書きさせる

構成案に納得できたら、スライドごとに箇条書きの本文を作らせます。文章ではなく箇条書きで出させることで、後から自分の言葉に調整しやすくなります。

先ほどの構成案のうち、スライド3〜5の本文を箇条書きで作成してください。
各スライド3〜4項目、1項目は20字程度に収めてください。
数値やデータは仮のプレースホルダーとして [ここに数値] のように示してください。

④デザイン・レイアウトはツールのテーマ機能に任せる

配色やフォント、図の配置まで文章生成AIに細かく指示するのは非効率です。Google SlidesやPowerPointのテーマ・デザイン提案機能に任せ、AIには文章面の下書きに専念させると作業が早く進みます。

⑤通しで読み、話す言葉で推敲する

できあがった箇条書きは、書き言葉としては整っていても、話すときには硬すぎることがあります。実際に声に出して読み、詰まる箇所を自分の話し言葉に置き換えます。

つまずきやすい点 — 構成が汎用的になり、数値が埋まってしまう

この方法の弱点は二つあります。一つは、AIが作る構成案が一般的なテンプレートに寄りやすく、社内の力関係や過去の議論の経緯といった文脈を反映しないことです。もう一つは、③のように「仮のプレースホルダー」を指示し忘れると、AIが実在しそうな数値やデータをそれらしく埋めてしまう場合があることです。前述のとおり、言語モデルには不確かな箇所でももっともらしく答えを埋めてしまう傾向が指摘されており※3、資料作成でも同じ注意が必要です。

一方で、構成の一般論さは①の結論を具体的に書くことである程度防げます。もっとも、経営会議や重要な意思決定の場で使う資料は、AIが作った構成をそのまま使うのではなく、過去の議論の経緯を知る人が一度目を通し、抜けている論点がないかを確認したほうが安全です。数値については、プレースホルダーの指示を毎回入れる習慣をつけ、最終版に差し込む前に元データと突き合わせてください。

次の一歩

スライドの骨組みづくりで身につけた「結論を先に決めてから構成させる」考え方は、提案書や営業メールにも応用できます。説得力とトーンを両立させる手順は提案書・営業メールをAIで作る記事で扱っています。また、資料に引用する長い報告書やPDFを事前に要約しておく方法は長い資料・PDFをAIで要約する記事で解説しています。結論を先に決め、AIには構造化を任せるという型は、どちらの作業でも共通です。

参考文献

  • Google. "Create and edit content with Gemini in Google Slides." Google Workspace ヘルプ, 2026年時点。
  • Microsoft. "Use Designer in PowerPoint." Microsoft サポートドキュメント, 2026年時点。※機能名称や対応範囲は変更される可能性があるため最新情報は公式サイトを参照のこと。
  • Kalai, A. T., Nachum, O., Vempala, S., & Zhang, E. "Why Language Models Hallucinate." arXiv:2509.04664, 2025.

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